投手の投球数制限と休息日
リトルリーグでは選手の年齢と投球数によって休息しなければならない日数があります。 これは、肩や肘への負担を極力減らし、障害を防止するために採られている措置です。
リトル年齢投球制限
- 11-12歳 1日85球まで
- 9-10歳 1日75球まで
- 7-8歳 1日50球まで。
- 選手が1日に66球以上の投球をした場合、4日間の完全休息が必要。
- 選手が1日に51~65球の投球をした場合、3日間の完全休息が必要。
- 選手が1日に36~50球の投球をした場合、2日間の完全休息が必要。
- 選手が1日に21~35球の投球をした場合、1日間の完全休息が必要。
- 選手が1日に1~20球の投球をした場合、休息日は必要ない。
※試合で21球以上の投球をした投手は、その日は捕手を務めてはならない。
※4イニング以上捕手をした選手は、その日は投手を務めてはならない
ということで、リトルリーグでは、一つの大会に臨むのに大体3人~4人の投手のできる選手が必要となります。
離塁の制限
一般の野球の場合、走者が塁から離れるのは自由ですが、リトルリーグには制限があります。 制限とは、投手が投球したボールがホームベースを通過するまでは塁を離れてはいけないことになっています。ただし、その後の盗塁はOKです。 これに違反しも走者はアウトになりませんが、もとの塁にもどらなくてはならないことがあります。
この制限(リトルリーグ特別ルール)が規則とされたのは、子供の肘と肩の障害の大半は、投手と捕手を務める選手に発生するからです。小学生は身体的にも成長過程であり、神経筋制御も十分でなく、投球動作においても発展途上のことが多いため、セットポジションからの投球、クイックモーションでの投球、牽制球等により『技術的に未熟な状態で、無理をさせて投げさす…』ことを防ぎ、肩や肘の負担軽減を目的として規定されました。
あと、4年生以下(マイナー)では、振り逃げの適用はありません。
注】メジャー(5年~6年)は、振り逃げはあります。
グランドサイズ
- 内野は一辺18・29メートルの正方形とする。外野フェンスまでの距離は60・95メートル以上なければならない。
- バッター・ボックスは縦1・82メートル、横0・91メートルの長方形とする。
- 本塁は五角形のゴム板で表示する。一辺が43・2センチの正方形の2つの角を切り取り、一辺を43・2センチ、二辺を21・6センチ、二辺を30・5センチとする。
- 投手板は横45・7センチ、縦10・2センチの矩形の白色ゴム板とする。投手板の前縁から本塁の後部先端までの距離は14・02メートルとする。
以下の表はリトルリーグのグランドサイズをソフトボール、一般野球と比較したものです。
対象や団体等 | 投手板から捕手の距離 | 塁間 |
---|---|---|
小学生軟式野球 | 16.00m | 23.00m |
一般野球(硬式、軟式)※プロ、メジャーも同様 | 18.44m | 27.43m |
リトルリーグ(硬式) | 14.02m | 18.29m |
ソフトボール(小学生) | 10.67m | 16.76m |
ソフトボール(一般成人男子) | 14.02m | 18.29m |
一般の野球の2/3サイズになっていて、実際にプレーする子供達が感じる、体感速度やプレーのスピード感が、メジャーリーグでプレーするプロ選手達が感じる体感速度やプレーのスピード感とほぼ同様になるようなグランドサイズに設計されています。
また、試合をする時はネットフェンス等で必ず外野フェンスを60.95m以上で設置するのですが、基本的には、レフト、センター、ライトと同じ距離で設置します・・・理由は、センターが一番よく打球が飛び、オーバーフェンス(ホームラン)しやすいことを子供達に気づかすためです。なぜ、本物の野球場はセンターが一番深いのか?の疑問に答えを与えてくれます。そして自然と子供達はセンター返しのバッティング技術を獲得していきます。
使用するボール
使うボールはリトルリーグ仕様および規格を満たしていなければならない。重さが141・7グラムから148・8グラムのもので、周囲が22・9センチから23・5センチ以内のものです。※硬球の規格は世界共通で、この規格のみです。
ちなみに、リトルリーグのボールの大きさを一般野球(軟式、硬式)、ソフトボールと比較したのが以下の表です。
対象や団体等 | ボールの直径 | ボールの重さ |
---|---|---|
軟式野球(小学生)※C号球 | 67.5~68.5mm | 126.2~129.8g |
軟式野球(中学生)※B号球 | 69.5~70.5mm | 133.2 ~ 136.8g |
軟式野球(一般) ※A号球 | 71.5~72.5mm | 134.2~137.8g |
リトルリーグ | 72.9mm~74.8mm | 141.7~148.8g |
硬式野球(一般) | 72.9mm~74.8mm | 141.7~148.8g |
ソフトボール(小学生低学年)※1号球 | 約85mm | 141g ± 5g |
ソフトボール(小学生中高学年)※2号球 | 約91mm | 163g ± 5g |
ソフトボール(中学生以上の一般)※3号球 | 約97mm | 190g ± 5g |
硬球は、子供たちみんなが小学校で受ける、体力テストのソフトボール投げで使用されるソフトボールの1号球と重さが、ほぼ同じくらいです。
使用するバット
試合で使用できるバットは、木製でも金属製でも構いません。長さは83.8センチ以下で直径は5.7センチ以下。特に金属バットでは2010年よりバット本体にBPF1.15が明記されたものでなければなりません。
※BPF(バットパフォーマンスファクター=反発係数)
特徴的なのは、少し直径が短く規定されているので、見た目細身のバットになります。小学校6年生くらいになると個人差もありますが650g前後のバットを使用している選手が多いです。小学校低学年用のバットでは450g前後のバットもあります。
使用するスパイク
金属、くさびの付いた靴は使えません。ゴム製くさびの付いた靴は使えます。 (軟式・ソフトボールと同様です)
使用するヘルメット
ヘルメットは両耳つきのものを1チーム最低7個用意しなければなりません。打者、次打者、全走者及びコーチは、このヘルメットを着用すること。成人のベースコーチについては任意となります。
プロテクター
男子プレーヤーは全員サポーターを着用すること。捕手(男子)は金属、ファイバーまたはプラスチック製のカップ型サポーターを着用するものとする。捕手は「襟つきの長い胸当て」「のど当て」「すね当て」「捕手用ヘルメット」を着用すること。捕手は練習中、投手のウォームアップ中及び試合中は「マスク」「のど当て」「捕手用ヘルメット」を着用することになっています
胸部保護パッド
心臓震とうに至る危険性を低減し、安心してプレーが出来るように試合中の保護パッドの装着を義務化しております。
ユニフォーム
チームのプレーヤー全員は、同じ色、仕立て、スタイルの番号の付いたユニホームを着用する。公認のリトルリーグ・ワッペンはユニホームの左袖の上部に付けなければならない。
監督、コーチは、通常のユニホーム及び金属スパイク靴を着用してはならないが、帽子、スラックス、シャツは着用しても差しつかえない。
特徴的なのは、リトルリーグの監督やコーチはユニフォームを着てはいけないことになっています。その理由は、主体的に子供たちがプレーし、考え、行動する事を尊重し、大人は補佐、助言する(大人の野球ではなく子供達が楽しむ野球である)立場である精神を表現しています。